「キングダム」からの宮城谷先生
ずいぶんと暑くなってまいりました、とはいってもまだ5月下旬。
部屋の気温も、8時半にして27.6°。ブログを書きます栗林です。
たぶんですね、ここ最近「今、絶対店頭に在庫がほしい商品」
というのがあったりしました。というのは=「どこの書店でも売れてる商品」とも言える
のですが、印刷技術の発達やら、入手先の多様化、読むだけならネットでコンテンツ買い、
と、どないかして入手ができる時代ともいえます。
今、当店においては間違いなくこれでしょう、
キングダム。
現在、残念ながら、在庫が1から10巻はございますが、もうあとが厳しい状態です。
それにしても、日本人って、古代中国の歴史が好きな国民だな、と改めて思います。
というのもですね、一番メジャーなのって、やはり三国志
でしょう。三国志だけでも、大家といえば吉川英治、そして私が何度となく読んだ
こちら横山光輝の三国志全60巻。
他にも、、マンガではその昔
本宮ひろ志の『天地を喰らう』、曹操が主役の『蒼天航路』(これも結構好きでした)
小説では柴田錬三郎さんの描いた通称「シバレン三国志」、私は「宮城谷」派、
宮城谷昌光先生の三国志、が好きでした。北方謙三先生も入ってきたりして、もう枚挙にいとまがない状態です。
ここにゲーム、KOEIさんのが入ってくるともう、なんかすごいことになってきます。
ここに書ききれないほど、様々な作品があり、もちろん書かれる作家さんの文章力、画力
が我々を引き付けてやまない結果ですが、史実にほぼ基づいた形で描かれる作品だから、
みんなある程度内容はわかってるけれども、また読んでしまう。
他にも、『水滸伝』、『項羽と劉邦』などなど、どれもヒット、ロングセラーが多くございます。
そこでですが、キングダムの大ヒットを契機に、三国志を含め、この古代中国の歴史に
目を向ける方が増えるチャンスでもある今、これは先ほど書いた通り、私の推し作家、
宮城谷昌光先生の本に是非、当店で出会っていただきたいのです。
キングダムを探しに来て、「ないわ」という誠に申し訳ない状況ですが、是非、宮城谷先生
の小説を。
『楽毅』『孟嘗君』『王家の風日』など、数々の作品がありますが、今でしたらやはり
キングダム読者なら、間違いなく馴染みのある
呂不韋
が主役で描かれている「奇貨居くべし」
中公文庫で、ちょっと長いと思われるかもしれませんが、キングダム内の呂不韋との
描かれ方の違いを楽しんでいただけるかと思います。
もうちょっと、楽に入りたいという方には、
『沈黙の王』
こちらは短編集で、タイトルにもなっております「沈黙の王」、これだけでも
胸が熱くなる、素晴らしい作品です。
言葉が不自由な王子が、その影響で王位の後継から外されながらも、
そのハンディを乗り越え、その経験をもとに、万人共通で、目に見える言葉
「文字」を創造する、という話。もう、教科書に載ってもいいくらいの
いいお話です。
ぜひ、ご一読、そして宮城谷先生、また一人でも古代中国の歴史小説ファンが増えれば
嬉しいです。