「司馬さん」を偲んで。
先日のブログにあった、教科書販売の一回目の倉庫内の準備を、みんなが手早くやってくれたおかげで、本日はお休みをいただいたクリバヤシです。
本日は、国民的作家、司馬遼太郎さんの命日です。
「司馬さん」。近所の方は親しみをこめて皆さん、そう呼ばれてました。生前は当店も、本当に長く可愛がっていただいた書店の中のひとつであり、私の父や祖父は、何度か話もしているのに、それが叶わなかった私は、白髪に黒縁眼鏡で、奥様と歩かれているお姿を見掛けるのみに終わり、本当に残念です。
気取ったところはひとつもなく、その昔には、商店街の何かの景品として、本にサインをなさったりして気軽に提供された、と聞いてます。
司馬さんの作品は、どうしても小説「竜馬がゆく」いまなら西郷隆盛を描いた「翔ぶが如く」、言い出したらきりがありませんが、エッセイにもう少しスポットが当たってもいいのになあ、と常々思っております。
「この国のかたち」(文春文庫)が好きですが、司馬さんが国民的作家たる所以は、きっと難しい言葉や内容を、司馬さんがかみ砕いて誰もが読みやすく、時には軽妙に、本当に読者に語りかけるように書かれているからだと、私的に思っております。
おそらく、「もう全部読んだよ」、なんて方はそうそういないでしょう。逆に、知ってるけど読んだことないわ、とかエッセイ(随筆)はそんなに読んだことないな、という方には是非、この「菜の花忌」、司馬さんを偲んで、いまだ読んだことのない作品を手に取ってみるのはいかがでしょうか?
中でも、「21世紀に生きる君たちへ」(朝日出版社)は、絶対に後世に伝えていくべき名著ですので、当店でももっとアピールをしていきたいと思います。
栗林書房では、この「菜の花忌」にちなみ、(日ごろから「司馬遼太郎」棚は存在しますが)、小説ではない、より司馬さんの人柄、考えに触れるような作品を手に取ってもらえるようなフェアを、二月末まで展開しております。
「司馬遼太郎」という著者および作品を風化させることなく後世に伝えていくのも、書店に課せられた使命のように思ったりもします。
司馬さんの作品にとどまらず、司馬さんの関連本などもあわせておいておりますので、ぜひ。