それが素敵な子どもかは、さておき。

一週間ぶりのおまっとさんでした(キンキン)、今回のブログは、村尾です。

ある本を紹介しようと思うのですが、その本の内容的な事は多くの批評家などが書いているので(あらゆる芸術を網羅し、魔術的という括りで捉え直した画期的な論考とかナントカ)、そことは違う魅力を語ってみようと思います。

そもそも子ども時代に僕自身が一番好きだった本は、国語辞典ではなく百科事典、とりわけズッシリ重厚な「日本語大辞典」という本でした。

それは何かかっこよさげな図録がタップリで目でも楽しめ、

項目に対して、あまり時代や特定の思想に染まっていないフラットで簡潔な文章が記されることで想像力が広げられる余白があり、

何よりも知の小宇宙がここにあると言えるほどに多くの事柄が網羅されていて、妖怪ウォッチの妖怪や、ポケモンをコンプするように色々な事柄を覚えていったものです。

例えば「ごじゅうろくって名前なんだ?」と興味を持った山本五十六、

小さな写真すらかっこよく、高校時代に友達と見に行った唐招提寺の千手観音、

そして下山三鷹松川という禍々しさが漂う昭和未解決事件の記述などなど、それらは本当に小学生の僕にとって玩具みたいなもので、ペラペラ、ペラペラ捲っては項目を読み返したり、図録を飽きずに眺めたりしていました。

本当はこの日本語大辞典をおすすめしたいのですが、絶版状態であり、それと近いであろう「現代用語の基礎知識」は年度で出ているので妖怪ウォッチみたいに次々買って行かないといけない、、、的な感じになってしまうと思うんですよね。

そこで今回の本題!アンドレブルトンの「魔術的芸術」(河出書房新社)はいかがでしょうか!

魔術的芸術

アンドレブルトン「魔術的芸術」

とにかく重厚感あるハードカバー!小学校高学年くらいからの子どもなら好む子も増えてくるだろう禍々しい図録もタップリ!そして何よりもインテリアに使えるほどのデザインのカッコよさ!!

魔術的芸術

見よこのカッコよさ!

「うちの子どもはそんなの買っても理解できないわ!」と嘆く方もいると思います。しかし全ての本はすべからく正しく理解されるべし、、、ではありません。

読んだけれども理解できなかった本が、社会に出ることで理解出来うるということもあると思います。

何気なく本を捲ったり眺めたりして図録や文章と接することでセンスが無意識的に鍛えられるって事もあるかもしれません。

内容なんか読まずに写真かっこいいから持ってる本が、時を経て読まれることでとんでもない影響を与える事になるかもしれないなんて事になる可能性だってあります。

アンドレブルトンの「魔術的芸術」はそんな本になりうる可能性を持った一冊に入ると僕は思っています。

何より”本”というモノとしての魅力は素晴らしいので。

というわけで大人はもちろん子どもさんも、まずはみなさまお手にとってみて下さい。そして願わくば”本好き”な人々が増えるといいなと思っております。

 

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