スタッフ雑記

安物雑貨店のドストエフスキー、今年もこのミスにランクイン。

投稿日:

金曜日、ブログ担当の村尾です。

このブログを書き始める前はよくツイッターにもつぶやいていて、それを読んだことある方で知ってるって方もいると思いますが、僕は海外文学をよく読んでいました(今は時間が取れずにちょこちょこっとしか読めてないですが)。

ブコウスキー、アーヴィンウェルシュ、そして墓石に「否」と刻んだことでお馴染みのセリーヌ、そしてもう一人。

今年のこのミスでも登場しておりました。

安物雑貨店のドストエフスキーことジムトンプスンです。

映画グリフターズやゲッタウェイ、キラーインサイドミーなど死後本当に評価が著しいジムトンプスン、扶桑社文庫でかなり刊行されていたのですが、「そして花火」を最後に刊行が止まってしまっていました。それが昨今、またもや動き出しております。

ブコウスキーの未発表も少し前に刊行されましたが(そしてブコウスキーが好きだったジョンファンテ作品も少しずつ刊行されていました)、このジムトンプスンの再び動き出したのを喜んでる方、多いのではないでしょうか。

しかし喜んでばかりもいられません。

本当にあっという間に手に入らなくなってしまうのが現在の出版業界、本当に欲しくなったその時が買い時なのだと思います。本当にこれ大事ですよ。

 

 

ブコウスキー、ジムトンプスン、セリーヌ、そして少し前にエルモアレナードと僕が好きだった人たちが亡くなっています。彼らの繰り出す文章が見せてくれる日常は幸せとは程遠いものですが、僕にとってその日常を過ごせる時間は紛れもない幸せな時間でした。あの幸せな時間が終わらなければ、そう願ったのは残念ながら幸せな時間の終った後でした。彼らが書く文章は卑語や俗語に満ち、眉をひそめる人も多くいます。しかしだからこそ彼らの文章はとても生に満ち溢れ、生き生きとその日常を猛烈にボヤキながら生きています。そんな彼らに僕はとても癒され、生きる指針みたいなものすら得ることが出来ました(そう思っていても後悔が残ることになったりするのですが、、、)。彼らが遺した文章を読みながら、リアルタイムで読んだ時と同じ思いを抱くのですが、彼らはもういない、新たに文章を紡ぐことはないんだと思うとやはり悲しくなります。こんな素敵な文章をありがとうと思いながらもやはり悲しくなってしまいます。

-スタッフ雑記

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

no image

情報得るためにツイッター始めたはずなのに流れが速すぎて見逃してる的な事。

金曜日です。 11月ですね。あっという間に年末ですが、皆様は1月の芥川賞、直木賞って覚えてらっしゃいますか? 手帳というかノートというかを見返してて、この芥川賞直木賞から1年経ってないのかぁっていう思 …

貰っても使い道に困る知識

金曜日に書くつもりが日曜日に延び、そこも落して月曜日です。 たまに変なことに気づく人っていますよね。 気付きといっても、例えば「社会の裏情報」とか昔はジャンル的にはサブカルに属していたのですが、今や暮 …

春の繁忙期、そろそろ終了

おはようございます。 春、というか2月からこの4月の頭(あと中学校3校が残っておりますが)で 今シーズンの学校さんへの教科書納入が終了します。 短期バイトの方も、ここ近年は長期バイトの子が友人、後輩に …

前回は前田愛のすれ違いを書いたのですが…

金曜日ですよっ。 本や本屋って不思議な事が起こるもので、今日も「これめっちゃへんなタイトルやなぁ」っていう本が確かにあって。でも今となってはタイトルもどんな表紙だったのかもうろ覚え…棚を探しても全く見 …

「いま、オススメの本ってありますか?」と聞かれたら間違いなくこれを全力でオススメしたい。

日曜日の朝、ブログは栗林です。 店頭に立っていると、学生さんからお年寄りの方、様々なお客様がお見えになります。 そんな中、年々、お問い合わせで増えてきたフレーズが 「今、オススメってなんですか?なんで …

ぶっくりん 栗林書房のマスコット

ぶっくりん 栗林書房のマスコット
栗林書房ブログ スタッフみんなで更新中

店舗ご案内

店舗ご案内

ご注文・定期購読

ご注文・定期購読

教育関係・企業様へ

教育関係・企業様へ

よくある質問

よくある質問

会社概要

会社概要

お問い合わせ

お問い合わせ
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。